2014年08月29日

奈良工房の研修生募集開始です!

奈良工房の研修生募集開始です!
「日本仕事百貨」さんに募集の記事が掲載されました。
熱心な取材をもとにした記事と動画。
今回の工房立ち上げに強く共感して頂き、今までにないくらい力が入っているそうです。
募集に関しては、ぜひそちらもご覧ください。
→ 「日本仕事百貨」

奈良・吉野でやろうとしていること

木工芸家徳永順男と鍛冶師大原康彦氏の出会いによって生まれたカンナフィニッシュの家具。
 その木本来の美しさや手触りを持つ生命感溢れる仕上がりは、日本古来の技術で作り出される鉋の切れ味によってもたらされます。

 「鉋仕上げをして、はじめて木のほんとうの表情を見れた気がします。日本にしかない鉋、そして500年にわたり植林されてきた木。日本の培ってきた技術を、家具という形で伝えていきたい。そう思うんです。」

この秋、奈良県吉野郡に新たな家具工房をはじめることになりました。

吉野地方は500年の歴史を持つ造林史上最古と言われる植林の地であり、日本を代表する木材「吉野杉」の産地。
工房はその入り口、下市町の小高い丘の上に出来ます。

その基本理念は、機械による大量生産品が当たり前になった今、技術を持った作り手が直接木と向き合い手を動かす、という「人」の感じられるモノづくりを復興すること。
この工房はそうして出来上がった物の魅力をもっと広く普及するため、個人工房ではなく、高い技術と意識を持った職人集団の工房にしようとしています。
それは同時に、鉋仕上げの技術を核とした手仕事を生業とできる環境を作り上げようとすることでもあります。

給与は発生しませんが、2年間の研修期間(寮生活)にかかる生活費は保障されます。
木工に関する現時点での経験は問いません。
鉋仕上げの技術を習得しつつ、工房を軌道に乗せていく。
自ら先頭に立ってやってやろうという志しある若者をお待ちしています。

なお、この工房は徳永工房弟子の森幸太郎が研修生の指導、運営を担当します。
また淡路島でアトリエKIKA木工工房を構える北島庸行さんもこの工房を立ち上げるにあたっての基本理念に賛同し、企画運営から研修生の指導のサポートをしてくださいます。





募集要項
勤務地:奈良県吉野郡下市町
仕事内容:鉋の技術と家具作りのノウハウの習得。工房の立ち上げに伴い、鉋のエキスパート育成に向けた研修を実施します。
雇用形態:研修生
給与:研修期間中の二年間は寮生活(家賃、光熱費、食費は保障)とし、給与無し。
勤務時間:8:30〜18:30
休日:日曜日
応募資格・条件:
特になし。未経験者可。 
ただし、奈良県の支援事業なので、住民票を奈良県の工房に移して頂く必要があります。
採用予定人数:5名
求める人物像:
これから始まる事業なので、将来の仕事が保障されているものではありません。それでもその可能性を信じ、技術の習得そして事業の成功のために常に前向きに努力できる人を募集します。
募集期間: 2014.8.29(金)〜9.18(木)(18日までに履歴書を送付ください。)

選考プロセス:書類選考→面接→採用

9月13日(土):下市町で説明会と工房見学。(二日前までに徳永家具工房まで申込)
9月18日(木):履歴書締め切り、必着。
9月20日(土):面接(下市町)
9月下旬採用者決定。
工房の改修工事が終了次第(10月下旬予定)研修をスタートして頂く予定です。

問い合わせ・応募先
徳永家具工房
〒673-1119 兵庫県三木市吉川町鍛冶屋304-1
TEL/FAX: 0794-73-1546
Mail: tokunaga.style@gmail.com
URL: www.tokunaga-furniture.com
posted by 徳永家具工房 at 22:39| インフォメーション

2014年08月23日

徳永家具工房の塗料(Tokunaga撥水セラミック)

杉を鉋で仕上げて家具や様々なインテリアに使おうとするには越えなければならない大きな問題があります。

一つは杉をスカッと削れる鉋とその技術を持つ事。
もう一つは柔らかい杉を汚れや傷から守る塗料を見つける事です。
鉋の方は鍛冶師大原氏が様々な願いを形にしてくれています。
塗料は頭の痛い、大きな問題でした。
できれば天然由来の無害なもので、木の表情を殺さないオイル系のものが好ましいと思うのですが、オイルは例えばテーブルの天板に使った場合 輪染みになるなど決して強い塗料だとは言えません。
私もこれまで仕上げにはオスモオイルや自家製 荏胡麻ワックス、漆などを使っていました。
椅子など水に触れない家具にはオイルは適しているのですが、テーブルや床などはどうしても汚れが着き、シミになり、半年後には作った時の面影もないほどの味になってしまいます。
杉に適した塗料を求めて市販のシリコン塗料やガラス塗料を試していた頃、以前からの知り合いが、 塗料のエキスパートが開発した 特に浸透性とはっ水性に優れた新しい塗料の話を持ってきてくれました。
この塗料は文化財の建築物やシャッターなどに塗って落書きができなくする目的で作られた今までに無いものだったのです。
さっそく私はこのサンプルをもらい、杉に塗ってみました。
粘性が低く、浸透性の高い透明な液体はどんどん染み込み、オイル仕上げのような使い方で、乾くと見た目はほとんど木そのものなのですが、水を通しません。主な成分は塗膜を形成するガラス質で、溶剤もアルコール系のものを使っており、食品安全基準をクリアーしています。
開発者の意図は、塗膜としての性能を重視した木以外の用途だったのですが、木に使用した場合、浸透して水分や汚れをシャットアウトし、表面は木の表情のままという、私たちにとってはまさに理想的な塗料と言っても過言ではありません。この性質を利用し、木に浸透させる塗料として、以後様々な特徴を持ったものが作り出されました。
より浸透性が高く、乾くと木の硬度が増すタイプのもの。
天然オイルと合わせ、欅などの硬い材質のものに対ししっとりとした艶を出せるタイプ。
外部材用に紫外線防止効果のあるタイプのもの などです。
様々な用途に応じたサンプル試験では優れた特性を示した塗料なのですが、それでは実際日常生活に使ってみてどうなのだろうかと、これは自身、自宅で試した報告です。


松のテーブル
 使い始めて15年になるのですが、オイル仕上げの表面はどうひいき目に見ても、“きれい”とは言い難いものでした。 オイルは様々な汚れが付きやすく、固まっても塗膜は柔らかく、水や熱には弱いのです。 電機鉋で表面を削り取り、手鉋で仕上げた後、Tokunaga撥水セラミック塗料を塗布し普段通りに使っています。
まず、手触りがサラサラで気持ち良く、油やしょうゆ汚れなどはしばらく置いてから拭いてもきれいに拭き取れ、跡が残りません。塗料がかかっている感じはほとんどなく、木の色は自然のままに、黄色から徐々に赤みが増してきています。


風呂のスノコ
 私がこの塗料を試してみようと最初に思ったのが我が家の風呂のスノコでした。
いつも湿った過酷な環境にある我がスノコですが、チークで作った初代は2カ月間変化がありませんでした。次の欅は1ヶ月と持ちませんでした。それこそあっというまにカビが生えてくるのです。黒い斑点が出来て来るとみるみる広がり、たわしでこすってもなかなか落ちません。
杉は水を含みやすく、抗菌性にしてもヒバのように強力ではありません。
そのままであれば、欅と同等またはそれ以下でありましょう。今回作ったスノコは杉にたっぷりとこの塗料を染み込ませてみました。
今5カ月目なのですが、作った当初のままなのです。
これはおそらく水が木材に入り込まない為、菌も侵入できないと考えられます。
杉のにおいは保たれ、ドアを開けると杉の良い香りがします。今後風呂場の内装材としての使い道が広がるでしょう。


徳永家具工房のTokunaga撥水セラミック塗料
塗料の専門家に“木”の本質を知ってもらう事で生まれた塗料。
何といっても私にとって一番の収穫は、杉が家具として、使える家具として自信を持ってデビューする決め手を得た事。そして今までのオイル仕上げの不安が解消した事です。

木に対する素晴らしい特性を備えたこの塗料は 出来て間のない新しいもので、様々な使い方があると思います。革や和紙に使うのも良いかもしれません。それを見つけ出す事は木に携わる者のこれからの課題として、多くの人々と共にかかわって行きたい魅力のある作業だと思っているのです。


◇お問い合わせ先
担当:tatara 佐々木武
メール:recosasaki@aloha.zaq.jp

◇製品情報について
製品情報はこちらからダウンロードください。


posted by 徳永家具工房 at 11:33| 塗料について